塗装の小キズ 荒い洗車や拭き上げ等を繰り返すと、塗装にキズが刻まれていきます。

不規則なキズは光を乱反射し、塗装の艶・光沢や映り込みを悪くする。更に塗装から平滑性を無くして、汚れの付き易い荒れた塗装面になっていきます。

塗装のキズ取りは、コーティング前の下地処理や美観の復元に重要な工程。まともな施工店は時間を掛けて、洗車傷やクレーターを研磨除去して塗装を平滑にする。程度の良い新車以外は、作業時間の大半を研磨作業に掛けていると言っていい位です。

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しかし、世の中には便利な物もあって、短時間かつ簡単にこの厄介な洗車キズを見えなくするケミカルもあります。上の画像は、ボンネット中央をマスキングし、右側に「キズ埋め」処理を施しています。非常に簡単な処理と時間で、小さな洗車キズの大半は見えなくなりました。

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今度は、「キズ埋め処理」した左隣の中央部分をマスキングし、キチンと塗装を研磨していきます。
画像左が研磨処理で、右が「キズ埋め」処理です。右側の「キズ埋め処理」は若干のクスミと色のボケがありますが、工程数や難易度を考えればかなりキズを隠してくれています。

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左未処理、中央は塗装研磨3工程、右が「キズ埋め」処理です。
キズの見え方は別として、中央と右の艶と色や透明感の違いは画像では分かり難いですが、肉眼では透明感や色艶がハッキリと違い、当然ですが塗装を研磨した部分が一番艶光沢が良いです。しかし、「キズ埋め」処理の部分も見た目、悪い感じではありません。

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スプレーで水を散布して撥水の違いを出してみました。
左は荒れたままの塗装ですから不均一な水玉です。塗装研磨した中央は均一で細かい撥水状態。そして、右側の「キズ埋め」処理での撥水は、キズを樹脂で埋めているので、WAXっぽい撥水になってしまいます。

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この様に、塗装キズを一時的に見えなくする(隠す)ことは結構容易なんです。
「キズ埋め剤」をポリッシャーで熱を加えながら刷り込むだけで、こういう効果が得られます。クリアー塗装に近い透明度と屈折率の樹脂成分で、細かな洗車キズを埋めるレベルなんですけどね。知らない人が「キズ埋め」作業を見れば、ポリッシャーで塗装を研磨してキズを除去してる様に見える事でしょう。

当然ですが、本物の塗装研磨の様な塗装の平滑性や塗装の色復元力は無く、デポジットやクレーター等にも全く効果はありません。ただ軽い「洗車キズ」を隠すだけです。塗装を薄くせずにキズを隠せる用途としては良さそうな物に思えるのですが、結局は誤魔化しの手法ですので、脱脂剤やアルコールで拭くか洗車の10回程度で元のキズが出てきます。この後にコーティングを施工する場合、コーティングの種類に因っては相性も良くありません。

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撮影終了後はちゃんと全面磨きを入れております。
今回、誤魔化し用ケミカルの実例でしたが、短期間だけでも傷を目立たなくでき、塗装を削らずに済むという面と、技術や時間が掛からないと言う面では優れた誤魔化しケミカルでもあります。

こういった「キズ埋め剤」は、DIY等でポリッシャーを使ってみられたい方たちにお奨めです。塗装を削らず難易度も低く、しかも短時間でお手軽です。キズが目立ったら、「自分でナントカする」と言う場合は、安易にコンパウンドを使って磨くより塗装に良いのかもしれません。

(店頭デモや、キズ取り動画等でよく目にする「サッとポリッシャーで磨いて」こんなにキズ落ちましたとか、大半がこの手のケミカル使用ですな~(*´Д`)=3 )